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お腹や腕に貼るだけで筋肉へ刺激を与えられるEMS機器を見ると、「これがあれば、ダンベルやスクワットはしなくてもよいのでは」と思うかもしれません。
2026年10月5日に発売された「SIXPAD Body Fit 3」は、腕や脇腹、太ももなどに貼って使えるコンパクトなEMS機器です。従来のトレーニング・プログラムに加え、肩やふくらはぎにも使えるコンディショニング・プログラムを搭載しました。
ただし、Body Fit 3だけで通常の筋トレがすべて不要になるわけではありません。また、本体価格とは別に専用ジェルシートの交換費用がかかります。
この記事では、メーカー公式情報とEMSに関する研究をもとに、Body Fit 3の使い方、筋トレとの違い、ジェル代、手入れ、欠点、向いている人を整理します。筆者はBody Fit 3を実際に使用していないため、使用感レビューではなく調査記事としてお読みください。
Body Fit 3は、テレビや仕事の合間に腕・脇腹・太ももへ刺激を加えたい人には便利です。ただし、全身を動かす筋トレ、有酸素運動、食事管理の代わりにはなりません。税込22,000円の本体に加え、専用ジェルシートは1袋1,980円で約60回が目安。1回約33円、毎日なら月約990円の消耗品費を見込んで選びましょう。
EMSは筋トレの代わりになる?
電気刺激で筋肉を収縮させる仕組み
EMSはElectrical Muscle Stimulationの略で、皮膚の上から電気刺激を与えて筋肉を収縮させる仕組みです。自分の意思で力を入れる通常の筋トレとは刺激の与え方が異なりますが、装着した部位の筋肉が収縮するため、まったく何も起きない機器ではありません。
健康な成人を対象にした2023年のシステマティックレビューでは、EMS単独または通常の筋力トレーニングと組み合わせた研究が検討されています。また、2022年のシステマティックレビューとメタ解析では、条件をそろえた場合のEMSと随意的な筋力トレーニングによる筋力向上が比較されました。研究条件や機器、刺激強度には違いがありますが、EMSにも筋力向上へつながる可能性はあります。
通常の筋トレをすべて置き換えるものではない
一方、研究用のEMSと市販の家庭用EMSは、電極の位置、刺激強度、使用時間、対象者が同じとは限りません。研究で効果が報告されていることだけを根拠に、Body Fit 3で同じ変化が必ず得られるとは言えません。
さらに、スクワットなら脚だけでなく、股関節や膝の動き、姿勢、バランス、呼吸まで一緒に使います。ダンベルや自重トレーニングでは、少しずつ重量や回数を増やすこともできます。貼った部分を電気刺激で収縮させるEMSだけでは、こうした全身の動きやフォームの練習までは置き換えられません。
そのため、しっかり筋力や筋肉量を増やしたい人は、Body Fit 3を主役ではなく補助として考えるのが現実的です。これから器具を使った運動も始めたい場合は、初心者のホームジムに必要なもの7選も参考にしてください。
貼るだけで脂肪が落ちるわけではない
脇腹に貼ったからといって、その部分の体脂肪だけが優先的に落ちるとは限りません。体重や体脂肪を減らすには、食事で取るエネルギーと日常生活・運動で使うエネルギーの収支が大きく関係します。
EMSによる筋収縮と、体脂肪を減らすことは分けて考えましょう。見た目や筋肉量の変化を追う場合も、家庭用体組成計の1日ごとの増減だけで判断せず、同じ条件で長期的に見ることが大切です。測定条件については、体組成計の筋肉量は信用できるのかで詳しく解説しています。
SIXPAD Body Fit 3はどんな製品?
Body Fit 3は、柔らかく角度を調整できるシリコンパッドに、専用の高電導ジェルシートとコントローラーを取り付けて使う充電式EMS機器です。品番はSO-BS-65A。本体はシリコンパッドとコントローラーを合わせて約63gと軽く、1台を複数の部位へ貼り替えて使えます。
| 項目 | Body Fit 3の内容 |
|---|---|
| 商品名・品番 | SIXPAD Body Fit 3・SO-BS-65A |
| 発売日 | 2026年10月5日 |
| メーカー価格 | 22,000円(税込) |
| 本体重量 | 約63g(シリコンパッド、コントローラー) |
| 外形寸法 | 約156.8×141.5×21.6mm |
| 刺激レベル | 各プログラム20段階 |
| 充電時間 | 約4時間 |
| 使用回数の目安 | 満充電でトレーニング・プログラム約10~11回(室温23℃・最大レベル) |
| 防水 | 非対応 |
| 注意 | ACアダプターは付属しない |
価格や販売状況は変わる可能性があります。22,000円は2026年10月7日に確認したメーカー公式価格であり、各販売店の実売価格や在庫を保証するものではありません。
2つのプログラムと使える部位
トレーニング・プログラムは約15分
本体だけで利用できるトレーニング・プログラムは約15分です。20Hzの刺激を採用し、次の6部位に対応します。
- 腕の前側(上腕二頭筋)
- 二の腕(上腕三頭筋)
- 脇腹(腹斜筋)
- 前もも(大腿四頭筋)
- もも裏(ハムストリング)
- 内もも(内転筋)
1台で左右を同時に鍛えるのではなく、基本的には狙った部位へ1台を貼って使います。左右同時、または複数部位を同時に刺激したい場合は本体が複数台必要です。メーカーによると最大6台まで同時使用できますが、その分だけ本体代とジェル代も増えます。
肩とふくらはぎはコンディショニングのみ
約12分のコンディショニング・プログラムは、2~50Hzの刺激が時間とともに切り替わるモードです。トレーニング対象の6部位に加え、肩とふくらはぎにも使用できます。
ただし、このプログラムには無料アプリ「SIXPAD CLUB」との連携が必要です。また、肩とふくらはぎにトレーニング・プログラムは使えません。メーカーは、刺激によって筋肉がつる可能性を考慮した仕様だと説明しています。
「肩にも使える」という表示だけを見て、肩の筋トレ用だと判断しないようにしましょう。肩やふくらはぎはコンディショニング目的です。
Body Fit 3の基本的な使い方
- 2枚の専用ジェルシートをシリコンパッドへ貼る
- シリコンパッドに専用コントローラーを取り付ける
- 汗や皮脂を拭いた肌へ、狙う筋肉に合わせて貼る
- +ボタンを長押しして電源を入れる
- 刺激を確認しながら、無理のないレベルへ調整する
- 終了後は肌からゆっくりはがし、保管プレートへ戻す
最初から強いレベルにする必要はありません。電極が肌へ均等に密着していないと刺激が偏る可能性があるため、身体を大きく動かす前に貼り付け状態を確認しましょう。
メーカーは、トレーニング・プログラムを部位ごとに1日1回、コンディショニング・プログラムを1日1~2回の目安としています。筋肉痛がある場合は使用を控えるか、刺激レベルを下げるよう案内しています。EMSでも回数を増やせばよいわけではありません。休む判断については、筋トレは毎日しないほうがいいのかも参考になります。
ジェルシート代はいくらかかる?
Body Fit 3専用高電導ジェルシートの品番はSO-CB-00Aです。メーカー価格は2枚入り1袋で1,980円。Body Fit 3は1台につき2枚を同時に使うため、1袋で約60回使用できる計算です。
1,980円を60回で割ると、ジェル代は1回あたり約33円です。使用環境、肌の皮脂や乾燥、保管状態によって寿命は変わるため、60回は保証回数ではなく目安として考えます。
| 使用頻度 | 月の使用回数 | ジェル代の月平均 | 交換の目安 |
|---|---|---|---|
| 週2回 | 約9回 | 約300円 | 約6~7か月で1袋 |
| 週3回 | 約13回 | 約430円 | 約4~5か月で1袋 |
| 毎日1回 | 約30回 | 約990円 | 約2か月で1袋 |
本体にはジェルシート1袋が付属します。毎日1回使う場合、最初の約60回を付属品でまかなった後も使い続けるなら、初年度に追加でおおむね6袋が必要です。単品価格なら11,880円ですが、公式サイトには6袋セットを10%引きの10,692円で追加できる案内があります。割引や販売条件は変更される可能性があるため、購入時に確認してください。
なお、本体を2台使えば左右同時に進めやすくなりますが、必要なジェルシートも2袋分になります。便利さと引き換えに、初期費用と維持費がほぼ倍になる点は見落としやすいところです。
ジェルシートと本体の手入れ
メーカーは、ジェルシートを約6回使用するごとに1回程度手入れする目安を示しています。粘着面が汚れたら、コントローラーからシリコンパッドを外し、水滴を付けた指先でジェル面をこすります。その後、ジェル面を上にして風通しのよい日陰で自然乾燥させ、乾いてから保管プレートへ戻します。
タオルでジェル面の水分を拭き取ると、繊維が付いたり粘着力が落ちたりする可能性があります。頻繁に洗えば長持ちするわけでもなく、必要以上の手入れはジェルを傷める原因になります。
シリコンパッドは水洗いできますが、コントローラーと充電クレードルは防水ではありません。汗や汚れは、アルコールを含まないウェットティッシュや、固く絞った布で拭き取ります。
家で使うとどんな生活になる?
Body Fit 3の強みは、運動用の広い場所を準備しなくても、約15分の刺激を生活へ入れやすいことです。たとえば、夕食後にテレビを見ながら二の腕へ貼る、デスクワーク中に脇腹へ使う、といった取り入れ方が考えられます。
ただし、毎回「ジェル面を確認する、狙う位置へ貼る、終了後に保管プレートへ戻す」という作業は必要です。貼る位置を変える場合は、肌からはがして付け直します。完全な放置型ではありません。
また、強い刺激では筋肉が急に収縮し、意図しない動きが出る可能性があります。包丁を使う、熱い鍋を運ぶ、階段を上り下りするなど、姿勢を崩すと危険な作業中の使用は避けたほうが安全です。「ながら使い」は、座って映像を見るなど安定した場面を中心に考えましょう。
Body Fit 3の欠点と購入前の注意点
- ジェル代が継続的にかかる:毎日使うと月平均約990円が目安です。
- 左右同時には本体が複数必要:1台を貼り替える場合は時間がかかります。
- 肩・ふくらはぎは筋トレモード非対応:アプリ連携のコンディショニング・プログラムのみです。
- スマートフォンが必要な機能がある:コンディショニング・プログラムにはSIXPAD CLUBとの連携が必要です。
- 防水ではない:入浴中には使えず、コントローラーや充電クレードルを水洗いできません。
- 充電用ACアダプターは付属しない:手持ちの電源環境を確認する必要があります。
- 肌に合わない可能性がある:粘着剤や電気刺激で赤み、かゆみ、痛みが出た場合は使用を中止します。
使用できない人を必ず確認する
ペースメーカーなどの体内植込み型医用電気機器、人工心肺などの生命維持用医用電気機器、心電計などの装着型医用電気機器とは併用できません。妊娠中・出産直後、飲酒中、38℃以上の発熱がある人、使用部位の皮膚に傷や異常がある人なども、メーカーが使用不可としている対象に含まれます。
持病がある人、治療中の人、体調に不安がある人は、自己判断せず医師へ相談してください。ここで挙げた内容は注意事項の一部なので、購入前と使用前に公式サイトおよび付属の取扱説明書を必ず確認しましょう。
Body Fit 3が向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 慎重に考えたい人 |
|---|---|
| 運動する時間を確保しにくい | EMSだけで大幅な減量をしたい |
| 腕・脇腹・太ももなど一部位へ刺激を加えたい | 全身の筋力や運動能力を高めたい |
| テレビやデスクワークの時間を活用したい | 消耗品を定期購入したくない |
| 通常の筋トレに補助的な刺激を加えたい | 左右・複数部位を低予算で同時に鍛えたい |
| ジェルの手入れと交換を続けられる | 肌が粘着剤や刺激に弱い |
運動習慣がほとんどない人にとっては、何もしない時間へ筋収縮を加えるきっかけになります。一方、筋力アップを主目的にするなら、歩く、立つ、自重トレーニングをする、ダンベルを扱うといった運動も残したほうが、身体全体を使えます。
すでに筋トレをしている人は、時間が取れない日の補助や、通常のメニューで刺激を入れにくい部位への追加として検討しやすいでしょう。ただし、強い筋肉痛がある部位へ重ねて使う必要はありません。
よくある質問
- Body Fit 3だけで筋トレの代わりになりますか?
EMSにも筋肉を収縮させ、筋力向上へつながる可能性はあります。しかし、全身の動き、バランス、フォーム、心肺機能まで通常の運動と同じように鍛えられるわけではありません。運動の完全な代用品ではなく、補助として考えるのが現実的です。
- 専用ジェルシートは1袋で何回使えますか?
2枚入り1袋で約60回がメーカーの目安です。Body Fit 3本体1台に2枚を使用します。皮脂、乾燥、使用環境、保管方法によって実際の交換時期は前後します。
- Body Fit 3は毎日使えますか?
メーカーは毎日の使用を可能としていますが、トレーニング・プログラムは部位ごとに1日1回、コンディショニング・プログラムは1日1~2回が目安です。筋肉痛や皮膚の異常がある場合は使用を控えてください。
- 肩やふくらはぎも鍛えられますか?
肩とふくらはぎに使えるのは、アプリ連携が必要なコンディショニング・プログラムです。トレーニング・プログラムは使用できないため、肩やふくらはぎの筋トレ目的と混同しないようにしましょう。
- Body Fit 3にスマートフォンは必要ですか?
約15分のトレーニング・プログラムは本体で操作できます。肩やふくらはぎにも対応するコンディショニング・プログラムの利用や、アプリでの記録にはSIXPAD CLUBとの連携が必要です。
まとめ|運動の代わりではなく、続けやすい補助として考える
SIXPAD Body Fit 3は、約63gの本体を腕、脇腹、太ももなどへ貼り、約15分のEMSトレーニングを取り入れられる製品です。アプリと連携すれば、肩やふくらはぎを含む8部位でコンディショニング・プログラムも利用できます。
EMSは筋肉を電気刺激で収縮させるため、運動ができないほど何もしていない状態と同じではありません。しかし、通常の筋トレや歩行で得られる全身運動、動作の練習、負荷の段階的な調整まで、1台ですべて置き換える製品でもありません。
本体価格は税込22,000円。専用ジェルシートは1袋1,980円で約60回、1回あたり約33円が目安です。毎日使うなら月平均約990円のジェル代と、定期的な手入れを受け入れられるかを考えておきましょう。
運動の代わりとして期待しすぎると高く感じますが、忙しい日の補助や、テレビを見ている時間に特定部位へ刺激を加える道具としてなら、使い道は分かりやすい製品です。
