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朝、目覚ましを止めてスマートフォンを見る。昼休みに少し見る。夜は動画を見ながら、気づけば寝る時間になっている。

1日3時間と聞くと、長いようでもあり、あり得る範囲にも見えます。ところが、この3時間を50年間積み上げると、合計は5万4,750時間。24時間ずっと画面を見続けた時間に直すと、約6年3か月になります。

人生の6年以上をスマートフォンに使う。かなり大きな数字です。ただし、地図を見る時間も、家族と連絡する時間も、仕事も、何となく流し続けた動画も、同じ「1時間」に含まれます。数字だけで良い時間と悪い時間を分けることはできません。

今回は1日1時間・3時間・5時間・8時間を比べ、睡眠を除いた時間の何%を画面に使うのか、毎日30分減らすと何年戻ってくるのかまで計算します。

先に計算結果

1日3時間を50年間続けると5万4,750時間、24時間換算で6.25年です。毎日8時間眠ると仮定すれば、起きている時間の18.75%。ただし、これはスマートフォンだけを見て何もしていない時間ではなく、連絡・仕事・学習・娯楽などをすべて含む仮定です。

計算では1年を365日、1か月を30日、1年を8,760時間として扱います。うるう年、利用を始める年齢、将来の端末や画面の変化は含めません。「一生」は寿命の予測ではなく、スマートフォンを50年間使う比較条件です。

1日3時間を50年間積み上げる

まずは題名どおり、毎日3時間を50年間続ける場合を計算します。

3時間×365日×50年=54,750時間

これを24時間で割ると2,281.25日。さらに365日で割ると6.25年です。つまり、50年間に散らばった毎日3時間を一つにつなげると、約6年3か月、昼も夜も眠らずに画面を見続ける長さになります。

期間1日3時間の累計24時間換算
1年間1,095時間約45.6日
10年間10,950時間1.25年
30年間32,850時間3.75年
50年間54,750時間6.25年
60年間65,700時間7.5年
70年間76,650時間8.75年

10年間でも1年3か月、30年間なら3年9か月です。毎日の3時間は、その日のうちに消えるように見えますが、長く並べると年単位になります。

1日1時間・5時間・8時間ならどうなる?

3時間だけでは、自分の利用時間と比べにくいかもしれません。そこで、利用時間を変えて50年間の合計を計算します。

1日の画面時間50年間の累計時間24時間換算
30分9,125時間約1.04年
1時間18,250時間約2.08年
2時間36,500時間約4.17年
3時間54,750時間6.25年
5時間91,250時間約10.42年
8時間146,000時間約16.67年

1日1時間でも、50年間なら約2年1か月。5時間なら約10年5か月、8時間なら約16年8か月です。もちろん、8時間の中に仕事で使う時間が含まれていれば、「16年を浪費した」という意味にはなりません。

この表が示すのは、用途の良し悪しではなく、毎日繰り返す時間が長期ではどれほど大きくなるかです。

睡眠を除くと、起きている時間の18.75%

24時間のうち8時間眠ると仮定すると、起きている時間は1日16時間です。スマートフォンを3時間見る場合、割合は次のようになります。

3時間÷16時間×100=18.75%

食事、入浴、移動、家事、仕事なども含む16時間のうち、約5分の1が画面時間です。50年間では、起きている時間が合計29万2,000時間、そのうちスマートフォンが5万4,750時間になります。

1日の画面時間16時間の起きている時間に占める割合
1時間6.25%
2時間12.5%
3時間18.75%
5時間31.25%
8時間50%

睡眠時間は人や日によって異なります。複数の画面を同時に見る時間や、音声だけを流して画面を見ていない時間もあるため、この割合は生活の実測値ではありません。

「6.25年」は、50年間の利用時間を24時間単位へ換算した数字です。実際に人生の最初から6年3か月、スマートフォンだけを見て過ごすわけではありません。

スマートフォンの3時間は、全部同じ時間ではない

画面時間を見て落ち込む前に、その内訳を考える必要があります。

家族や友人への連絡、地図、決済、仕事、勉強、読書、写真撮影、音楽の操作、健康管理。こうした用途もスマートフォンの時間に含まれます。スマートフォンを見ながら電車で移動したり、料理の手順を確認したりするように、別の行動と重なる時間もあります。

一方で、見るつもりのなかった短い動画を次々に開く、同じアプリを何度も確認する、寝る前に目的なくスクロールを続ける、といった時間も混ざります。

合計3時間だけでは、生活に役立ったのか、満足できたのかは判断できません。確認したいのは、長さと一緒に「何に使った3時間だったか」です。

自分の本当の利用時間を確認する方法

iPhoneでは「スクリーンタイム」を使うと、アプリやWebサイトの使用状況を確認できます。Appleの案内では、アプリの種類ごとの使用時間、デバイスを持ち上げた回数、通知が多いアプリなどがレポートに表示されます。出典:Apple「iPhoneのスクリーンタイムを使ってみる」

確認手順は次のとおりです。iOSのバージョンにより表示が異なる場合があります。

1.「設定」アプリを開き、「スクリーンタイム」をタップする。

2.「すべてのアプリとWebサイトのアクティビティを確認する」を開く。

3.「日」または「週」を選び、合計時間とアプリ別の内訳を見る。

複数のApple製デバイスの使用状況を共有している場合は、表示対象のデバイスにも注意します。iPhoneだけの時間を知りたいのに、iPadやMacを含む合計を見ている可能性があるためです。

1日だけでは、休日や忙しい日の影響を強く受けます。まず1週間の平均を見て、その時間をこの記事の表へ当てはめると、自分に近い数字を考えられます。

2万枚の写真を見返す時間は、画面時間のどこに入る?

以前、スマートフォンの写真約2万枚を全部印刷したらどうなるかを計算しました。では、その2万枚をスマートフォンで1枚ずつ見返したら、どれくらいかかるでしょう。

1枚を見る時間2万枚を見返す時間
1秒約5時間33分
3秒約16時間40分
5秒約27時間47分
10秒約55時間33分

1枚3秒でも約16時間40分。1日3時間ずつ見れば、単純計算で約5.6日かかります。写真を探す時間、動画を見る時間、同じ写真を戻って確認する時間は含めていません。

画面時間には、こうした思い出を見返す時間も入っています。合計時間だけをゼロに近づけると、残したい使い方まで一緒に削ることになります。

毎日30分変えると、50年で約1年変わる

すべての画面時間を減らす必要はありません。もし「これは別のことに使いたい」と思う時間が毎日30分見つかったら、長期ではどれくらいになるでしょう。

0.5時間×365日×50年=9,125時間=約1.04年

毎日変える時間50年間の合計24時間換算
10分約3,042時間約126.7日
30分9,125時間約1.04年
1時間18,250時間約2.08年
2時間36,500時間約4.17年

毎日10分でも、50年間なら約127日です。ただし、この時間がそのまま自由時間として貯金されるわけではありません。スマートフォンを閉じても、別の画面を見たり、ぼんやり休んだりするかもしれません。

それでも、毎日の小さな選択が長期では大きいことは分かります。減らした時間を何に使うかまで決めると、数字が生活に結びつきます。

画面時間を変えたいときは、合計よりアプリを見る

3時間を一気に1時間へ減らすような目標は、必要な用途まで巻き込みます。スクリーンタイムの内訳を見て、まず一つのアプリや時間帯に絞るほうが判断しやすくなります。

たとえば、連絡や地図はそのまま使い、寝る前の動画を30分短くする。通知がきっかけで何度も開くアプリだけ通知方法を見直す。休日と平日で目標を分ける。こうすれば、数字だけを追うより、残したい使い方を守れます。

iPhoneのスクリーンタイムには、カテゴリや個々のアプリへ使用時間の制限を設定する機能があります。曜日別に時間を変えることもできます。制限は自分を罰するためではなく、区切りに気づくきっかけとして使えます。出典:Apple「iPhoneのスクリーンタイムにスケジュールを設定する」

毎日30分を別のことに使えれば、50年間では約1年分です。ただ、疲れた日に動画を眺める時間まで、すべて無駄と呼ぶ必要はありません。休むために選んだ時間と、終わったあと何も残らなかったと感じる時間を分けて考えます。

将来もスマートフォンを見続けるとは限らない

50年後にも、今と同じ板状のスマートフォンを使っている保証はありません。眼鏡型端末、音声操作、周囲へ情報を表示する機器などへ変われば、「画面を見る時間」の測り方自体が変わる可能性があります。

仕事、娯楽、連絡が一つの端末へさらに集まれば、利用時間は増えるかもしれません。反対に、音声操作や自動化が進み、画面を開く時間が減ることも考えられます。

そのため、6.25年は未来予測ではありません。今と同じ1日3時間を50年間繰り返した場合の比較用の数字です。技術が変わっても、「毎日の短い時間を長期間積み上げるとどうなるか」という考え方は使えます。

結局、6年3か月は長すぎるのか

1日3時間を50年間続ければ、24時間換算で約6年3か月。8時間睡眠を仮定すれば、起きている時間の18.75%です。数字だけを見ると、人生の大きな一部です。

しかし、その6年には、誰かと話した時間、知らない場所へたどり着いた時間、仕事を進めた時間、音楽を聴いた時間、写真を残した時間も含まれます。すべてを失った時間として数えるのは正確ではありません。

見るべきなのは「3時間は多いか」だけではなく、「その3時間に残したいものがあったか」です。自分のスクリーンタイムを開き、よく使うアプリを一つずつ見れば、続けたい時間と変えたい時間が少し具体的になります。

毎日30分を変えるだけでも、50年間では約1年。スマートフォンを捨てなくても、人生の時間配分は少し動かせます。

参考資料

Apple:iPhoneのスクリーンタイムを使ってみる
Apple:iPhoneのスクリーンタイムにスケジュールを設定する