※本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。
スクワットは裸足で行うべきか、それともリフティングシューズを履くべきか。ホームジムなら靴を履き替える手間がなく、裸足でも床を直接踏めるため、「わざわざ専用シューズを買う必要はあるのか」と迷う人も多いと思います。
私も以前は裸足でスクワットをしていました。しかし、100kgを超える重量を扱うと、しゃがんだときに身体が前へ行きそうな感覚が気になるようになりました。そこでadidas Powerlift 5を購入し、約10回使ったところ、この感覚はほぼなくなりました。
ただし、この経験だけで「裸足は危険」「全員がリフティングシューズを履くべき」とは言えません。足首の動かしやすさ、スクワットのスタイル、床の状態、本人の感覚によって合う選択は変わります。
先に結論:現在の裸足スクワットで安定しているなら、無理に変える必要はありません。一方、深くしゃがむと上体が前へ倒れやすい、かかとが浮く、足元が落ち着かないと感じる人には、硬いソールとかかとの高さがあるリフティングシューズを試す価値があります。
- 裸足とリフティングシューズの違いを先に比較
- 裸足でスクワットするメリット
- 裸足で気になったのは、100kg超で前へ行きそうな感覚
- Powerlift 5に履き替えて感じた4つの変化
- 研究ではリフティングシューズの効果をどう見ている?
- リフティングシューズが向いている可能性がある人
- 裸足のままでよい人
- 柔らかいランニングシューズは別に考えたい
- 裸足とリフティングシューズの中間に、フラットシューズもある
- 1万円前後を払う価値は、重量が何kg伸びるかだけでは決まらない
- シューズを替える前に確認したいこと
- デッドリフトでは同じ結論にならない
- 履き替えるなら軽い重量から確認する
- 結局、裸足とリフティングシューズはどちらがいい?
- 参考資料
裸足とリフティングシューズの違いを先に比較
| 比較項目 | 裸足 | リフティングシューズ |
|---|---|---|
| 床の感覚 | 直接感じやすい | 裸足より間接的 |
| ソール | 足裏そのもの | 硬く、形が変わりにくい |
| かかとの高さ | 前後差がない | かかとが高い製品が多い |
| 足の固定 | 靴による固定はない | 靴ひもやストラップで固定できる |
| 歩きやすさ | ホームジム内なら身軽 | 硬いため長時間の歩行には不向き |
| 費用 | かからない | 購入費用がかかる |
| 向きやすい人 | 裸足で安定してしゃがめる人 | 足元や前傾に悩みがある人 |
大きな違いは、「足と床の間に何があるか」だけではありません。リフティングシューズには、硬い土台を作ること、足を靴の中で動きにくくすること、かかとを少し高くすることの3つの役割があります。
裸足でスクワットするメリット
床を直接踏んでいる感覚が分かりやすい
裸足の分かりやすい利点は、足裏で床を感じやすいことです。母趾球、小趾球、かかとのどこに力がかかっているかを確かめやすく、柔らかいランニングシューズのようにクッションが沈み込むこともありません。
足裏全体で床を捉え、安定してしゃがめている人なら、裸足は十分に合理的な選択です。ホームジムでは、靴を持ち運んだり履き替えたりする必要がない手軽さもあります。
費用がかからず、自分の可動域も把握しやすい
専用シューズは1万円前後から、それ以上する製品もあります。裸足なら追加費用はかかりません。また、かかとの高さで足首の動きを補わないため、現在の身体でどこまで自然にしゃがめるかを確認しやすい面もあります。
軽い重量でフォームを確認するときや、裸足で問題なく深さを出せる人にとっては、「専用シューズを履かないこと」が欠点になるとは限りません。
裸足で気になったのは、100kg超で前へ行きそうな感覚
私が裸足をやめた理由は、足の痛みでも、かかとが明確に浮いたからでもありません。100kgを超えるスクワットで、身体が前へ行きそうな感覚が出てきたためです。
実際に転びそうになったわけではありません。それでも、バーを担いでしゃがむたびに足元が気になると、動作そのものへ集中しにくくなります。重量が軽いうちは流せた小さな違和感が、重量の増加とともに無視できなくなりました。
裸足そのものが悪いのではなく、私の身体、フォーム、扱う重量の組み合わせでは、より固定された足元が欲しくなったということです。この違いは大切で、同じ100kgでも裸足のほうが安定する人はいるはずです。
Powerlift 5に履き替えて感じた4つの変化
1.前へ行きそうな感覚がほぼなくなった
最も大きな変化は、購入理由になった不安が解消されたことです。Powerlift 5でスクワットをすると、裸足で感じていた「身体が前へ行きそう」という感覚がほぼなくなりました。
シューズを履くだけでフォームが自動的に正しくなったわけではありませんが、足元を心配する場面が減り、しゃがんで立ち上がる動きへ集中しやすくなりました。
2.硬いソールで足元がガチッとする
Powerlift 5の靴底は、普段履きのスニーカーと比べるとかなり硬く感じます。スクワットでは、その硬さが足元の安定感につながりました。力をかけてもソールが大きく沈まず、床を押す土台が変わりにくい感覚があります。
私がよく使う表現は「足元がガチッとする」です。裸足は床へ直接触れる感覚がある一方、Powerlift 5は足全体をひとつの土台として固めてくれる印象でした。
3.ストラップで固定感を調整できる
裸足にはない大きな違いが、甲部分のストラップです。靴ひもに加えてストラップを締めると固定感がかなり増し、靴の中で足が動きにくくなります。
ただし、強く締めるほど圧迫感も増えます。私は痛みまではありませんが、常に限界まで締める必要は感じていません。ウォームアップと重いセットで締め具合を変えるなど、自分に合う位置を探す必要があります。
4.15mmのヒールは意外に高く感じなかった
私が使っているPowerlift 5の公式仕様では、ヒールリフトは15mmです。数字だけを見るとかかとが持ち上がる印象がありますが、実際には極端に高いとは感じませんでした。
裸足から履き替えた直後でも強い違和感はなく、スクワットを始めるとヒールの高さより、ソールの硬さと足の固定感のほうを強く意識しました。
サイズ感やベンチプレス、スピンバイクでの使用感まで含めた詳しい感想は、adidas Powerlift 5を実際に使ったレビューで紹介しています。
研究ではリフティングシューズの効果をどう見ている?
2021年に公表されたスクワット時の履物とかかとの高さに関するレビューでは、リフティングシューズはランニングシューズや裸足と比べ、上体の前傾を小さくする傾向が報告されています。かかとを高くすることで、スクワット中の姿勢や下肢の動きが変わる可能性があるという内容です。
一方で、研究結果はすべて一致しているわけではありません。裸足、かかとを上げた裸足、リフティングシューズの3条件を比べた研究では、測定した体幹角度や一部の筋活動に有意差が確認されなかったと報告されています。
被験者数、扱う重量、スクワット経験、足首の可動域、シューズのヒール高などが異なれば、結果も変わり得ます。そのため、「リフティングシューズを履けば必ず上体が起きる」「必ず重量が伸びる」とまでは断定できません。
研究から読み取れること:履物とかかとの高さはスクワットの動きに影響する可能性がありますが、全員に同じ変化が起きるわけではありません。最後は軽い重量から実際に試し、本人の安定感とフォームを確認する必要があります。
リフティングシューズが向いている可能性がある人
- 裸足では身体が前へ行きそうになる人
- 深くしゃがむとかかとが浮きやすい人
- 柔らかい靴底の沈み込みが気になる人
- 靴ひもとストラップで足を固定したい人
- スクワット中の足元への不安を減らしたい人
特に、フォームを確認しても足元が落ち着かず、重いセットで毎回同じ違和感が出る人には検討する理由があります。購入前に試着できるなら、スクワットの姿勢を軽く作り、かかとの高さや圧迫感を確かめると選びやすくなります。
裸足のままでよい人
- 裸足で安定して深さを出せている人
- 足裏で床を直接感じる感覚を重視する人
- 現在のフォームや足元に不満がない人
- リフティングシューズの圧迫感が苦手な人
- まずは追加費用をかけずに練習したい人
専用シューズを持っていないことが、初心者としての遅れになるわけではありません。軽い重量で安定した動作を練習できているなら、裸足のまま続ける選択もできます。違和感が出てから試しても遅くありません。
柔らかいランニングシューズは別に考えたい
裸足とリフティングシューズのどちらを選ぶ場合でも、クッション性の高いランニングシューズは性格が異なります。走るときの衝撃を和らげる柔らかさは、スクワットでは荷重に合わせて沈み、足元の感覚を変えることがあります。
スクワットで重要なのは、価格の高さやブランド名より、足元が予測しやすいことです。裸足、底の薄いフラットシューズ、リフティングシューズなどを比較し、自分が毎回同じ姿勢を作りやすいものを選ぶのが現実的です。
裸足とリフティングシューズの中間に、フラットシューズもある
実際の選択肢は、裸足か、かかとの高いリフティングシューズかという二択ではありません。底が薄くて硬いフラットシューズなら、裸足に近い低さを保ちながら、足を覆ってグリップを得られます。
足首の動かしやすさに困っておらず、かかとを高くしたくないものの、裸足では滑りや汚れが気になる人には現実的な中間案です。利用するジムが裸足を禁止している場合にも選びやすいでしょう。
反対に、足首の曲げにくさや上体の前傾が気になり、かかとの高さを利用したい人はリフティングシューズの性格が合いやすくなります。「筋トレ用」と書かれているかではなく、ソールの硬さ、前後の高低差、足の固定方法を見ることが大切です。
1万円前後を払う価値は、重量が何kg伸びるかだけでは決まらない
リフティングシューズを検討するとき、「履けばスクワットが何kg伸びるのか」と考えたくなります。しかし、シューズだけの効果を切り分けるのは簡単ではありません。履き替えた時期にフォームへ慣れたり、トレーニングを継続して筋力が伸びたりするためです。
私もPowerlift 5を履いたことで、すぐに最大重量が何kg増えたとは評価していません。はっきり言えるのは、裸足のときに気になっていた前へ行きそうな感覚がなくなり、重いセットに入るときの余計な不安が減ったことです。
毎回のスクワットで足元が気になっていた人なら、その違和感を減らせるだけでも購入する意味があります。一方、裸足で何も困っていない人にとっては、同じ金額をプレートや安全設備へ回すほうが満足度は高いかもしれません。
シューズを替える前に確認したいこと
身体が前へ流れる、かかとが浮く、足元がぐらつくといった悩みが、すべて履物だけで起きているとは限りません。スタンスが自分に合っていない場合や、重量を上げたことで動作が崩れている場合、床やマットが沈んでいる場合もあります。
- 左右の足幅とつま先の向きが毎回大きく変わっていないか
- 足裏の一部だけが浮いていないか
- 床やジョイントマットが荷重で大きく沈んでいないか
- 軽い重量では安定し、重い重量だけで崩れていないか
これらを確認したうえで、なお裸足の足元が不安なら、専用シューズを試す理由がはっきりします。反対に原因が床の沈み込みなら、先に設置環境を見直すほうが筋が通っています。道具は悩みを隠すためではなく、原因を理解したあとに選ぶほうが失敗しにくいと感じます。
デッドリフトでは同じ結論にならない
リフティングシューズがスクワットで使いやすくても、すべての種目に向くとは限りません。私はPowerlift 5をデッドリフトでは使っていません。かかとの高さがある靴を選ぶ利点を、自分のデッドリフトでは感じていないためです。
デッドリフトでは、床からバーまでの距離や足元の高さを気にして、薄くフラットな靴を選ぶ人もいます。この記事の結論は、あくまでバーベルスクワットを中心としたものです。
履き替えるなら軽い重量から確認する
裸足からリフティングシューズへ替えると、かかとの高さや足の固定によって、慣れたスクワットの感覚が変わります。購入初日に、いきなり普段の最高重量を試す必要はありません。
- 自重スクワットで圧迫や痛みがないか確認する
- バーだけ、または軽い重量で深さとバランスを見る
- 横から動画を撮り、上体やバーの軌道を確認する
- 問題がなければ段階的に重量を戻す
感覚がよくなっても、セーフティの高さやラックの確認は省略できません。一人で行う場合の注意点は、バーベルスタンドは危険?一人で安全に使うための注意点にもまとめています。
結局、裸足とリフティングシューズはどちらがいい?
どちらが優れているかではなく、現在のスクワットで何に困っているかによって答えが変わります。裸足で安定し、必要な深さまでしゃがめている人は、そのまま続けてもよいでしょう。
一方、私の場合は100kgを超えたあたりから、裸足では身体が前へ行きそうな感覚が気になりました。Powerlift 5へ替えるとその感覚はほぼなくなり、硬いソールとストラップによる「足元がガチッとする」安定感を得られました。
だから私は、現在はスクワットでリフティングシューズを選びます。ただし、それは裸足が間違っていたという意味ではありません。扱う重量と自分の感覚が変わり、今の私には専用シューズが合ったという結論です。
迷っている人は、まず裸足や底の薄い靴で軽いスクワットを行い、足元、かかと、上体の傾きを確認してみてください。そこで不安が残るなら、リフティングシューズは単なる格好のためではなく、土台を変えるための道具になります。
